日本最古の五重塔
10月 24, 2014 — 0:00

奈良・法隆寺にある五重塔は日本を代表する建築物です。
建立されたのは西暦680年頃と言われており、約1300年以上もの長い年月を経てきたということになります。
実はこの法隆寺の五重塔は日本どころか世界を代表する建築物でもあり、木造建築物としては同じく法隆寺境内にある金堂同様世界最古のものであるとして記録されています。

五重塔は遠目に見ても大変に素晴らしい景観の1つですが、近くに行ってみるとまたさらにその素晴らしさに気がつくことができます。
細かな意匠部分にも職人の技が見られており、おそらく同じレベルのものを2つと作ることは不可能なのではないかというほどの出来栄えです。
しかしそれよりももっと五重塔の凄さを感じさせるのが、約1300年以上もの間、どうやって倒れずにきたのかということです。

奈良県はそれほど地震の多い地域というわけではありませんが、実は地中に8つもの活断層が眠っており、内陸型の地震が起こる危険性がかなり高くなっています。
そのことから現在は関西地域を中心とした耐震性強化が急ピッチで進められているところでもあります。
奈良県内には五重塔だけでなく、数多くの文化遺産がありますが実は地震によってそれらが倒壊したという例は1つもありません。

なぜ五重塔が倒れないのかということについては、日本国内のみならず世界中から綿密な研究がされています。
その研究結果により塔の中心に入れられている「心柱」が振動が起きたときに強い制振性を発揮するものと言われています。
なおこの心柱を使用した制振構造は、つい先日にオープンされた最新建造物である東京スカイツリーにも応用をされているほどです。

このような現代にも通じる最高水準の耐震性が生まれた理由として考えられるのは、過去奈良県など関西地域では頻繁に地震が発生して被害があったということで、それに対応するべく当時の職人たちが知識の粋を集めて建築を行ったということです。
今となっては現在のようなコンピューターシステムもない古代において、どのようにしてそんな技術が生まれたのかということは想像することしかできませんが、より多くの人を救うために当時の知識人が集まり知恵を結集させたのでしょう。

そのような歴史的な経緯を想像しながらあらためて五重塔を見上げてみると、またそれまでとは違った感慨があります。
五重塔の素晴らしさをより身近に実感したいという人は、1/100のミニチュアモデルとして販売しているキットもありますので、組み立ててみるとよいでしょう。