北海道の住宅歴史
6月 24, 2014 — 0:00

北海道は日本の地域の中でもかなり特殊な気候環境にある場所なので、必然的にそこに建てられる住宅も他の地域とは異なる性質を持つものになります。
北海道の気候の特徴は何と言っても長い冬とその間に大量に起こる降雪です。
そのため本州地域と同じような作りの木造住宅を作ってしまっていては、あっという間に積雪の重さに負けて倒壊してしまいます。

北海道における住宅建築の歴史の中でも大転換を迎えたのは、北海道開拓が大々的に行われるようになった明治以降です。
それまでは現地住民であったアイヌの人たちが独自に開発をした「チセ」という工法による建物が多く建てられてきました。
しかし北海道開発が盛んになった時期には現地民との生活とは全く異なる方法でコミュニティーを作る移住民たちの新しい伝統文化が作られていくことになり、それが北海道内における建築工法を大きく様変わりさせることになりました。

ちなみに在来工法であった「チセ」とは掘っ建て丸太柱による構造をしており、屋根の部分は寄り棟による急勾配が付けられているのが特徴となっています。
藁葺きに使用する木材は道内でも地域によって違いがあるようですが、主に茅や芦、笹といった材料が用いられていたようです。
果たして藁葺きの家が北海道の豪雪に耐えられたのかという疑問があるかと思いますが、実際にマイナス41℃にもおよぶ日本国内最低気温の気候にも耐えたという記録があり、見た目以上に内部は過ごしやすいものであったようです。

しかし開拓使として道内に移り住んだ人たちはそのような建築についてのノウハウを知りませんから、東京などでも使用してきた木造建築をそのまま作ることになります。
明治時代当初にはさまざまな試行錯誤が行われましたが、当時の写真をみると板葺きの屋根による木造住宅があちこちに見られます。
その後、日本国内に洋風建築が本格的に導入されると札幌地域を中心に数多くの建物が作られていくようになります。
開拓使本庁舎として建築された建物は本格的な洋風建築であり、銅板葺による全く新しいものでした。

本州以南地域では当たり前に使用されている瓦葺きも道内ではなかなか生産ができなかったという事情があり、かなり長年にわたり一般住宅では板葺き屋根の住宅が使用されていきました。
札幌や函館などには今も残る本格的な洋風建築物が数多く見られますが、それはこのような瓦葺きができにくいというような事情などが影響しています。