日本における「一般住宅」とは?

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「和風建築」というと、木造の瓦ぶきの二階建て住宅を最初に思い浮かべます。
日本においてこの和風建築が建築ラッシュを迎えたのは高度成長期からのことで、それ以前に造られた住宅と、それ以後に造られた住宅とではかなり全体的な造りが違っています。
さらに、ここ数十年の間に新しく造られた住宅においてはそれまで日本の伝統的な工法であった木造建築ではない住宅も数多く建てられるようになってきており、最近では和室自体を家の中に置かないようにした家も多くなっています。
アパート、マンションにおいても二部屋以上ある間取りでは大抵片方は和室風にされていたものですが、このごろはわざわざ和室を洋室風に改装してから新しい借り手を探しているようです。

ですが、内装や建築資材には洋風建築のスタイルが取り入れられるようになってきているにもかかわらず、内側の機能的な部分についてはまだまだ日本古来からの生活習慣に基づいたスタイルが残されています。
例えば家に入るときは靴を脱ぐというようなことで、いくら見た目が洋風の建築の家であっても、土足で室内に入れるようにしている家は、一般住宅ではほとんど見かけることはありません。
他にも、バスルームにトイレが一緒に入ったユニットバスも、一時期多くのマンションで取り入れられましたが、現在ではむしろそうでない家の方が人気となっているようです。
日本人は外からの仕組みを取り入れ、それを自分たちの使いやすい方法に改良するのがうまいといわれていますが、この居住環境についてはまさにそのとおりと言えます。
現在日本において一般的に建築されている形式というのは、見た目は洋風に見えても内側は日本独自の日本人のための仕組みが多いと言うことができるでしょう。

さらにおもしろいのが、ここ最近では「見た目和風住宅」という一周回ったような不思議な建築方法も人気が出てきているということです。
これは、外装を見るとまるで純和風住宅のような門構えをしているにもかかわらず、一歩玄関から入ると、洋風のフローリングにアンティーク調の内装と、アンバランスな中身をしているという住宅のことです。
もちろん内装の洋風建築も、きちんと靴を脱いで部屋に上がり、独立した浴室にはバスタブが置かれているという内容です。
なんとも不思議な住宅様式ですが、不思議とそれでも自然に受け入れることができるというのも日本人の不思議な性質と言えます。
これからも日本における居住環境はさらに変化を続けていくことでしょう。

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