つくばい

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実用とインテリアをかねたアイテム

「つくばい」は、茶道をする茶室があるような家屋に設置されていることが多い、石でできた鉢のようなものをいいます。

茶園は、きれいに整えられた庭園の中に茶室が建っていることが多く、その茶庭によい雰囲気を出すために、また茶室に入る前に手を洗うために置かれていることが多いです。

つくばいにはいろいろな形があり、円柱の石材の上部に四角い穴を繰り抜いて、そこに水を入れるようになっているものや、石材を六角形に繰り抜いているものもあります。

つくばいという名前の由来は、使用する際に「つくばう」、かがむ必要があることからこのように名付けられているのだそうです。
そのため、かがむ必要があるくらいの低さであるものをつくばいと呼びますが、かがむ必要のない造りになっているつくばいもあります。

立って使用するつくばいは「縁先手水鉢」と呼ばれ、茶室など建物の縁側につくばいが置かれているタイプです。

つくばいもいろいろ

つくばいは、茶庭に設置されているものだと前述しましたが、茶室の中に置いてあるものもあります。
またその形においてもさまざまです。
茶室の中に置かれているつくばいは凝った構造になっていて、使用する段階に合わせていくつかの種類があります。

ひとつは、「水鉢」と呼ばれるつくばいで、茶室に入る席につく前に、柄杓で水をとって手を洗うもの。
この水鉢の前には石が置いてあり、そこに乗って手水を使います。これは「前石」と呼ばれています。

水鉢の左横には「手燭石」という石が置いてあり、これは夜に灯りをもって茶室に入室した際、その灯りを置いておくものです。
右横には「湯桶石」という石が置かれており、これは寒い日にお湯を置いておくときに使われます。

水鉢を囲う形で「水門」という石が置かれていて、これは水鉢を使うときにこぼれた水を受けるために作られているとのこと。
ただ手を洗うためだけでも、しっかりこれだけの設備を用意しているのは、さまざまなこだわりを品よく表現している茶道ならではですね。
ちなみに立った状態で使用する縁先手水鉢にも、このように周りにいろいろな用途に使用する石が置かれています。

茶道をしていないとなかなか茶園に入るということはないかもしれませんが、施設によっては観光などで茶園や茶室を開放しているところもあります。
ぜひ素敵なお庭を見て癒されると共に、日本の素晴らしい文化に触れてみてはいかがでしょうか。

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