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慣用句にも使われている建設用語

「うだつが上がらない」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
この慣用句は、「パッとしない」といった意味を持ちあわせている言葉なのですが、建設物の「うだつ」からとって作られた言葉です。

では「うだつ」とは何か?
うだつとは、昔の日本家屋などの外側にある柱や、防護壁としてつくられているものをいいます。

防護壁として疲れているものは比較的分かりやすいのですが、小柱は少しわかりにくいかもしれません。
日本家屋で建物の横に飛び出たように作られている柱で、並んでいる家屋の端がうだつで仕切られているように見えたりもします。

防護壁としてのうだつは、家の窓の部分を木で覆うようにしているもので、これは古い建造物が残る街などで見ることができます。
うだつがより建物の趣を引き立てて、雰囲気のある建造物です。

「うだつが上がらない」の由来

慣用句としてのうだつは、この柱のことをさしています。
うだつは建物の屋根よりも少し高いところに妻壁をつくることで、近隣の火災などに対する類焼を防ぐ目的で作られていました。

また、このうだつをつくるには費用がかかり、ある程度裕福な家でないとうだつが付けられないということから、うだつを上げることができないほど出世できない、などということが由来とされています。
ということは、うだつが上がっている昔の日本家屋は、裕福な家だったということになのですね。

ちなみに、経済的に満たされていないことのほかに、運が悪いことなどもこの慣用句で表現されることがあります。
こうしたことから、この慣用句は、生活に困窮している庶民から生まれたものだといわれています。

うだつが見れるところ

うだつが並んでいる家屋を見ることができるスポットとしては、岐阜県美濃市が有名です。
ここにはうだつが並ぶ家屋がたくさんあり、歴史や雰囲気をとても感じるところですが、観光地として建てられたものではないので、目の前の道路には普通に現代の乗用車が走っていたりします。

海や山など、自然の多いところで癒されるという人は多いかと多いかと思いますが、こうした懐かしい町並みにもとても癒やされるもの。
日常生活と少し離れた雰囲気を味わいたいという方は、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

ちなみに美濃市はしし鍋や鮎料理が有名です。
趣きのある町並みを楽しみながら、郷土料理に舌鼓を打つという小旅行を企画してみるのもいいですね。

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