武家造【鎌倉時代】
1月 14, 2014 — 0:00

「武家造」は、鎌倉時代から一般的な住宅建築に用いられるようになった住宅様式です。
現在日本で建築されている木造一般住宅の基礎設計として今も機能しているという、大変耐久性のある優れた建築方法であると言えます。

日本においては歴史的に木材を使った住宅が数多く建てられてきましたが、平安時代までの寝殿造りが主に貴族の生活のために作られてきたものであるのに対し、鎌倉時代以降の武家造は文字通り武士のための住宅として設計をされたものになっています。

生活に優雅な豊かさを求めた貴族に対し、武士は実用性を重視する傾向にあったため、武家造の屋敷は質素であまり飾り気がなく簡素な作りをしていることが特徴になっています。

鎌倉時代に武家造が登場したのは、鎌倉幕府の将軍のための屋敷として建築されるようになったためです。

武家造はのちに室町時代の寝殿造りを経て、日本の木造建築の基礎となる書院造りへと発展していきますが、それらはいずれも武士のための住宅として洗練されていった結果です。
寝殿造りと武家造で大きく違う特徴の一つが、素材として用いられている材料です。

武家造では板敷きに藁葺きというかなり素材的に簡素なものが用いられるようになっており、かなり広い敷地を贅沢に使う寝殿造りに比べて質素で簡単に建築ができるものと言えます。

また、武士であることから常に外部からの侵入に備えることも求められており、屋敷の周囲には堀が作られ川が流れていることもよくありました。

また屋敷に上がるときに一段高くなるような段差が作られており、いずれも外部から攻めこまれたときに時間をかせぐことができるようにという工夫です。

なお、武家造とよく似た言葉に「武家屋敷」というようなものがありますが、武家屋敷とは江戸時代などに多く作られた大名や藩邸として機能していたもののことを言うので、厳密に言えば全く違った住宅のことをいいます。

武家造が様式を大きく変化させることになるのが室町時代で、それまでは貴族向けの寝殿造りを簡素化したものという位置づけであったものが、独自の間取りへと変化してゆきます。

武家造が進化したものが主殿造りや書院造りです。

建築史や日本史によっては、日本の住宅は寝殿造りから書院造りになったというふうに言われることもあります。

これは武家造は寝殿造りと書院造りのちょうど過渡期に現れたものであり、いずれの特徴も半々くらいに持っている住宅であるためです。