現在の日本における住宅事情
11月 5, 2012 — 20:20

かつて高度成長期にあった日本では、自分の戸建持ち家を購入することが人生における一つの大目標となっていました。
現在でも住宅ローンは30代のサラリーマンたちにとっての仕組みとして多く利用がされていますが、不景気となった現在であっても「自分の家を持ちたい」という願望は根強く多くの人に共有をされているようです。
実は日本において自分の家を建てるということにこだわりを持つようになったのは戦後になってからのことで、戦前までは一般庶民の住居環境として一般的だったのは家主からの借家暮らしでした。
賃貸住宅としての長屋に住むことも決して恥ずかしいことではなく、特に家に対して自己所有意識を強く持っていたわけではないといいます。

なぜこうも急激に持ち家にこだわる日本人が増えたのかということは非常に興味深い問題ですが、これは「一国一城の主になる」という心理的な問題の他、経済的に豊かになったことで高価な買い物ができるようになったことと、さらに借家では決定的に家の敷地面積が狭いという独自の事情が関連しているのではないかと思われています。
現在高度成長期に持ち家を建築した人の増加により、日本国内における住宅数は世帯数に対しての割合で世界でも有数の大国となっています。
一世帯に対して現存している戸建て住宅の数は1.13となっており、これは第一位のフランスの1.21に肉薄する第二位です。
ところが、これが中古住宅の流通量としてみてみると、第一位のイギリスが21.96、第二位のアメリカが16.35であるのに対し、日本はわずかに1.25にとどまっています。
単純に考えてイギリスやアメリカの住宅のうちその5~6つに1つは中古住宅であるのに、日本においては100軒の家の内一軒がようやく中古であるということです。

参考資料:住宅事情と住宅政策

一方で、持ち家に住む人たちにとっての一人あたりの敷地面積でみると、持ち家の場合はなんと巨大な家を持つイメージのあるアメリカやイギリスなどと比較してもそれほど日本人が劣るということはないのに、賃貸住まいとなると世界的に類を見ないほどの狭さとなっています。
日本人にとって戸建住宅に住むことは、かつてのような「経済的ステータスを示すもの」から、「広い家に住みたい」という切実な要望に切り替わってきているようにも思います。
しかし下落傾向にあるとはいえ、新築持ち家はかなり高額の買い物です。
ニーズにあった居住方法は、今後日本国内で変化をしながら求められていくことでしょう。