コンゴの住宅の歴史

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自然と共に暮らす人々の家

アフリカ大陸のほぼ中央に存在しているコンゴには、イトゥリの森と呼ばれている場所があります。
たくさんの動物や植物が存在しているイトゥリの森は年中気温が高くて雨季と乾季に分かれている特徴もあります。
イトゥリの森で暮らしているエフェ・ピグミーと呼ばれる人たちは現在でも自然と共に暮らす生活をしています。
動物の狩りをしたり、森に存在している野菜や果物を採集しながら暮らしています。

乾季が訪れる頃になるとエフェ・ピグミーの人達はベースキャンプから移動を始めます。
移動したキャンプ地で狩りや採集を行いながら食べ物を探して暮らしますが、食べ物が少なくなると次のキャンプ地へ移動しています。
短期間で移動しているため、全ての食べ物を採り尽くしてから移動せずに資源を残しながらまた次のキャンプ地へ移動できるという特徴があります。
大切な資源を無くすことがないので、しばらく経ってから再びキャンプ地を訪れた時には資源が再生されています。

コンゴの住宅の歴史を知るためには、エフェ・ピグミーの移動しながら暮らす独特の生活スタイルに合った住居の特徴を確認してみましょう。

自然の素材をそのまま活かす

エフェ・ピグミーが移動生活で暮らす住居は人工的なものですが、素材は全て森に存在しているものを使用します。
ドーム型のテントのような形をしている住居は、床が直径2~3メートルで高さが1.5メートルほどなので背の高い人はかがみながら室内で暮らすことになります。
材料は木とツル性植物、マングングという大きな葉だけです。

作り方は木を30センチくらいの間隔で地面に刺し、刺した木の先を内側に引っ張りながらそれぞれを編みこんで木枠を作ります。
次に木枠にツル性植物を巻きつけて木と木を結び付け、更にマングングの葉を木の枠に引っ掛けるようにして固定させます。
仕上げにマングングの葉を組み合わせて傘のようにしたものをドーム型の頂点に固定させると完成です。
これらの作業で最も時間がかかるのはマングングの葉を取り付ける作業で、雨漏りを防ぐためにも丁寧に行います。

一生懸命作った住居は短い滞在期間を過ぎるとそのまま放置されて次の地へ移動していきます。
またしばらく経ってから同じキャンプ地にやって来た時には以前使った住居を補修しながら活用するか、新しく家を作っている人もいます。
仮に放置されたままになっても、元々は自然界に存在する材料しか使っていないため、自然な流れで自然に還ってくれると考えられます。

寝食のために使うだけ

エフェ・ピグミーの人たちが暮らす手作り住居は、食事をする時と就寝のためだけに使用されます。
食事の回数は特に決まっていないこと、日中は暑くても夕方になってくると急激に冷え込んでしまうため薪を燃やして暖をとる場合もあります。

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