木材と香りについて
7月 15, 2013 — 0:00

日本的な家屋は木材で作られるのが一般的ですが、それによって得られる効果は住宅建築以上のものになっています。

木の香りは檜風呂や檜住宅に代表されるように、それ自体がハーブなどと同じような薬効効果があるとされています。

確かに東京の都市部などコンクリート造りの住宅がたくさんある地域と、田舎の古い木造住宅では入った瞬間に感じる香りが全く違うものになっています。

木の香りは森林浴もあるように、たくさん集まることで独特の香りが生じてきます。

余談ですが、地球上で植物から放出される香りの総量は年間で1億7000万トンにもなるとされています。

森林など植物から生じる香りはニオイを吸い込むととても心が安らぎ、心が落ち着いてやる気が出てくるように思えます。

これは人がもともと自然の中の存在であることから、太古の昔に帰ったような気持になれるためではないかと思われますが、研究を積み重ねてみると科学的な成分によるものであることがわかります。

森林から放出される成分については、レニングラード大学のB・P・トーキン教授が「フィトンチッド」という成分として分析をしました。

フィトンチッドという言葉は造語で、「植物」を示す「フィトン」と、生物を殺す役割をする物質を示す「チッド」という意味を組み合わせたものです。

トーキン教授の研究では、ぎとんちッドは松やもみの木といった植物の葉に多く含まれているとされ、この香りを濃度を多くおいておくことにより、赤痢菌や腸チフス菌といった人体に悪い影響をあたえる細菌を殺すことができるものとしています。

この雑菌の殺傷能力は相当に高く、わずか数秒で死滅させることができるとも言われ、植物の香りは人間の体の健康維持のためにも大変に有効であることが証明されたのでした。

 

木造建築の本場日本においてもこのフィトンチッドの研究は進められており、森林浴における化学的な反応についても細かく研究が進められています。

人は森の中に入ってその香りをかぐとよい気分になりますが、これは木々からテルペン類という精油成分が出されており、これが人間の気道にはたらきかけ、空気を美味しいと感じさせてくれるものといいます。

森林浴で感じられる香りは木造建築においても同じで、切られても生きたまま運ばれるという木材特有の生きた香りを作り出すことができるのです。

近年問題となっているハウスダウスとやシックハウス症候群といった症状は、コンクリート造りが悪いというよりも、木材が優秀すぎたせいで起こらなかったことと言い換えることもできます。